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せめて、今夜だけ…
第28章 満月と魚
「フランスに行ったらお前と会えなくなるし、この先市原グループとは嫌でも顔を合わせる事もあるだろうし、いいことなんか1つもねぇだろ?」
「だ、だからって…」
だからも何もない。
これほどわかりやすいシンプルな理由はないと思うが?
「だからって、何でうちの工場に…」
調べたところ、魚月の実家の工場は人員募集はしていなかった。
まぁ、人を雇う余裕なんかないだろう。
無理もない。
だから――――…。
「給料は10%カットでいいからここで働かせて貰えるようにお前の両親に掛け合ったんだよ」
「な…っ」
「まぁ、Bijoux時代に貯め込んだ貯金もあるし、今のこの日本で食いっぱぐれになることなんか早々ねぇし」
「はぁ?」
「俺はBijouxで何年も営業やってたんだ。フランス行きという名誉も勝ち取ったぐらいのな」
まぁ、辞退したけど。
おまけに会社も辞めたしな。
「だ、だから…、何なんですか?」
「この工場だって、俺の力で何とかしてやるよ!」
ハハッと笑う俺の顔を見て、魚月は何も言えなくなってしまっていた。
返す言葉もないくらいに呆れてしまったのだろうか。
「そ、な、あ、な…っ」
口をパクパクさせて何かを言いたげだが、悪いが俺はもうこれ以上何も聞く気はない。
「ごちゃごちゃ言うなよ…。もう決めた事なんだから」
「か、勝手なことを…」
「だ、だからって…」
だからも何もない。
これほどわかりやすいシンプルな理由はないと思うが?
「だからって、何でうちの工場に…」
調べたところ、魚月の実家の工場は人員募集はしていなかった。
まぁ、人を雇う余裕なんかないだろう。
無理もない。
だから――――…。
「給料は10%カットでいいからここで働かせて貰えるようにお前の両親に掛け合ったんだよ」
「な…っ」
「まぁ、Bijoux時代に貯め込んだ貯金もあるし、今のこの日本で食いっぱぐれになることなんか早々ねぇし」
「はぁ?」
「俺はBijouxで何年も営業やってたんだ。フランス行きという名誉も勝ち取ったぐらいのな」
まぁ、辞退したけど。
おまけに会社も辞めたしな。
「だ、だから…、何なんですか?」
「この工場だって、俺の力で何とかしてやるよ!」
ハハッと笑う俺の顔を見て、魚月は何も言えなくなってしまっていた。
返す言葉もないくらいに呆れてしまったのだろうか。
「そ、な、あ、な…っ」
口をパクパクさせて何かを言いたげだが、悪いが俺はもうこれ以上何も聞く気はない。
「ごちゃごちゃ言うなよ…。もう決めた事なんだから」
「か、勝手なことを…」