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せめて、今夜だけ…
第5章 恋心
結婚してしまったら、こうやって話すことも、会うことも出来なくなる。
魚月の為とか言いながら、本当は自分の為でもあったのかも知れない。
「今夜だけは全部忘れろ…」
こんな事しか言えない。
もうすぐ結婚する魚月に、これ以上の言葉なんかかけられない。
魚月を困らせるだけだ。
「両親の工場の事も、婚約者や結婚の事も…っ」
「――――――――っ!」
ただ、魚月の荷物を軽くしてやりたかった。
例え一瞬でもいいから、頭の中を空っぽにして、自由にしてやりたかった。
「せめて、今夜だけ…っ」
声を出すのが精一杯。
言葉にするのが苦しい。
そんな俺の背中に、戸惑いながらも手を伸ばしてくれた魚月。
大丈夫。
何があっても今夜だけは
この雨が全部流してくれる。
魚月の為とか言いながら、本当は自分の為でもあったのかも知れない。
「今夜だけは全部忘れろ…」
こんな事しか言えない。
もうすぐ結婚する魚月に、これ以上の言葉なんかかけられない。
魚月を困らせるだけだ。
「両親の工場の事も、婚約者や結婚の事も…っ」
「――――――――っ!」
ただ、魚月の荷物を軽くしてやりたかった。
例え一瞬でもいいから、頭の中を空っぽにして、自由にしてやりたかった。
「せめて、今夜だけ…っ」
声を出すのが精一杯。
言葉にするのが苦しい。
そんな俺の背中に、戸惑いながらも手を伸ばしてくれた魚月。
大丈夫。
何があっても今夜だけは
この雨が全部流してくれる。