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せめて、今夜だけ…
第6章 刹那
シーツを固く握り締めたり、小さく震えたり…、まるで猛獣に追い込まれた小動物だ。
しかし、檻から解き放たれた猛獣は、目の前にあるご馳走を我慢しきれない。

「ダメッ…!も、だめぇ…、あぁんっ!」

例え獲物がどれだけ懇願しても。

「イッ…っ、イク…っ!あぁぁ…」

硬い舌先でなぞったり、激しく吸い付いたり、乱暴に扱ったり…。
俺の本能のままに魚月の身体を弄んでるのに、それに反応してくれるのが嬉しくてたまらない。

「ひっ、あ…っ――――――――っ!!」

魚月の身体が大きくビクンッと跳ね上がった。
シーツを握る手すらビクビクと痙攣している。
と、同時に身体中からじんわりと汗が滲み出している。
オーガズムに達した証だろう。

「あっ、あ…」
「いい感度だな」

あんな乱暴な愛撫とあの短時間で絶頂に達するなんてな。

「魚月…」

体制を整えて魚月の顔を覗き込んだ。

「はぁ、はぁ…」

と、息を整えながら快楽に溺れる魚月の表情に背中にぞくりとした武者震いを感じる。

「あ、ぁ…っ」

今にも泣き出しそうな魚月の顔。
それは、罪悪感からか快楽からか。
だけど、もうそんなの…、どっちでもいい。

本当にこのまま、どうなったってかまわない。

「ごめん。優しくしてやれそうにない…」

優しく魚月の頬に触れると、魚月の柔らかな頬の感触が伝わって来た。
頬まで柔らかいな、魚月は。



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