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置き薬屋と人妻。
第1章 プロローグ
「うっ……オレ、い、逝きそう……」
 安達望結《あだちみゆ》の背後から、夫の俊二《しゅんじ》は激しく身体を打ち付けた。ギシギシとベッドが軋んだ。
 波打つ胸の膨らみがシーツに擦り付いて痛かった。身体の奥がヌチャヌチャと粘り気のある音が聞こえる。
「あっ、あっ……あなた……」
 ――私はまだなのに……。
 俊二を逃さないように、望結の身体の奥をキュッと引き締めて、彼のペニスを包み込む。
「くぅ……」
 二度ほど夫の身体が打ち付けられる。打ち飛ばされないように枕をしっかりと抱えた。望結の最奥で俊二が膨張するのが分かった。望結の身体が満たされる。まもなくドクドクと搾り出すような感じがした。
 二人に子供はいなかった。だから、避妊はしていなかった。すぅっと、俊二が抜かれるのが分かった。それは、「抜かれる」というより腑の抜けた夫を望結の身体が押し出した、というのが近かった。
 空気が抜けたように軽くなってゆく俊二のペニスがテロンと望結の尻の膨らみに貼り付く。俊二は筆で文字を描くように自分のそれで望結を撫でる。
 熱が望結の身体から奪われるように冷たくなっていった。猫の背伸びのように高く上げていた腰をペタンとシーツに下ろす。――ドロリと熱い物が溢れ、静かに白い跡を残しながら太腿に垂れるのが分かった。
 
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