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置き薬屋と人妻。
第2章 ときめき
午前五時。望結はスマートフォンの目覚ましに呼ばれた。いつもの通り準備したブラックコーヒー、半熟のハムエッグと野菜サラダ、そしてバターをたっぷり塗った四枚切りの食パンをランチョンマットに載せる。
これも毎日――365日変わりがなかった。
望結はテレビの画面の時刻に目をやる。いつ変わったのか、太陽マークをデザインしたオレンジ色のイラストの中にある時計が五時五十五分だった。狭い液晶画面に目覚まし時計が駆け回った。
――あ、起こさなきゃね。
寝室に駆け上がった。
ヴーン、ヴーン――
エプロンの中でスマートフォンが唸った。――俊二からだ。
――俊二さん……。
一時間前まで、俊二は望結と同じ寝室で寝息を立てていた。
『あ、オレ……朝飯いらないから……』
と、言うと電話はプツリと切れた。望結の返事も待たず……。
――ああ、降りてきて、直接言ってよ!
しかし望結にとって、それもいつものことだった。
これも毎日――365日変わりがなかった。
望結はテレビの画面の時刻に目をやる。いつ変わったのか、太陽マークをデザインしたオレンジ色のイラストの中にある時計が五時五十五分だった。狭い液晶画面に目覚まし時計が駆け回った。
――あ、起こさなきゃね。
寝室に駆け上がった。
ヴーン、ヴーン――
エプロンの中でスマートフォンが唸った。――俊二からだ。
――俊二さん……。
一時間前まで、俊二は望結と同じ寝室で寝息を立てていた。
『あ、オレ……朝飯いらないから……』
と、言うと電話はプツリと切れた。望結の返事も待たず……。
――ああ、降りてきて、直接言ってよ!
しかし望結にとって、それもいつものことだった。