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舞い降りた天使
第9章 告白

「俺には母親に優しくされた記憶ないんだ。

親はいつも居なくてさ
まぁひどいもんだったよ。

だから
よその家が羨ましくても
本当の優しさとかアットーホームとか
よく分かんないんだ。
親なんて
そんなもんだって生きてたから。

でもさっちゃんは違うだろ?

真穂に優しく育ててもらって
いつも側にいてもらって
守ってもらって
愛情いっぱいで…

だからさ
旦那がやった事は
すごくショックだったと思うんだ。

そんなもんだって
生きてた俺より
何百倍も…

だから
俺にできることがあるなら
何でも言って

どんなことでも
協力するから。


けどさ

真穂がいるから大丈夫だよ。


さっちゃんには
真穂がいる。


真穂は
自分が思ってるより
いいお母さんなんだ。


こんなに
許せない悔しいって
倒れるほど泣くんだから。


子供のために
泣けるなんてさ

それだけで100点じゃん。

そんなことないって
また真穂は言うだろうけど
俺から言わせればさ

さっちゃんが羨ましいくらい
真穂は100点だよ」


俺が
そう言い終わると
真穂はゆっくりと身体を起こし
そして何も言わないまま
俺を真穂の胸の中に包み込んだ


それから俺は泣いてしまったんだけど
真穂は
ずっと俺を抱きしめていた


それはまるで
壊れそうなものを
大事に抱えてるようだった


好きだ

俺、やっぱり
真穂が好きだ

こんなにも優しく
俺を抱きしめてくれる真穂を

もう
離したくない
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