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舞い降りた天使
第9章 告白
「それは…
前にも言ったけど
姉ちゃんみたいで
ほっとけなくて」
「それだけ?」
「え?」
真穂は
何が言いたいんだ…
いや
俺に何を言わせたいんだ
「正直に話すけど、私ね
巧くんに慰めてもらいたくて
今日ここに来たの」
「…うん」
うんって返事をしたけどさ
慰めるって
どういう意味だよ
俺の慰め方
わかってるよな?
「今まで色んなこと我慢してきたけど
昨日のこと
私、ほんとに辛くて…
ダメなことだってわかってたけど
ヤケになって
巧くんに優しくしてもらいたくなったの。
でも…」
「でも?」
「よくないよね」
「えっ?」
「こんなにも優しくて
こんなにいい人で
私よりずっと若くて…
そんな巧くんに
頼っちゃダメだってよく分かった」
「え、何言ってんだよ。
全然ダメじゃない」
「今まで
巧くんに優しくしてもらって
私もさっちゃんも本当に救われたよ。
感謝してる」
「だったら」
「けど私はただの同僚で
しかも年上の既婚者なの。
こんなことしてて変な噂流れたら
巧くんに迷惑かけるでしょ?」
「迷惑なんかじゃない」
「ううん、そんなことわかってたの。
わかってたけど
私が弱くてつい巧くんに甘えて…
でももうこれ以上迷惑かけられない」
「何言ってんだよ真穂」
「幼い頃に寂しい思いしてたなら尚更
巧くんは
ちゃんといい人見つけて結婚して
いいパパにならなきゃだめ。
巧くんもそう思ってるでしょ?
だから私なんかと
こんなことしてちゃダメだよ。
お姉さんだって心配するよ?」
そう言うと
真穂はベットから降りようとした
そしてそれと同時に
俺は過去の話をしたことを
後悔していた
あんなこと話さなければ
真穂は
ヤケになってたかもしれないけど
俺に甘えてくれたのに…
「待てよ真穂!」
俺は急いで真穂の腕をつかんだ
「放して」
「嫌だ」
「お願い」
「嫌だ」
「私なんかに関わらない方がいいの」
「なんでだよ!」
「同情で
こんなことしちゃダメなの!」
「同情なんかじゃない!」
「……」
「俺は真穂が好きなんだ。
好きで好きでたまんなくて
俺のものにしたいくらい好きで
どうしようもなく好きで
引かれるの怖くて言えなかったけど
真穂が好きなんだ」