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舞い降りた天使
第10章 犯行
二人で後部座席に座ると
さっちゃんは少し小さな声で
真穂に話をはじめた

「お母さん、どこ行くの?」

「病院」

「大丈夫だよ?
ちょっと痛かっただけだし」

どうやらさっちゃんは病院が怖いらしく
ずっと真穂に寄り添う姿が
ルームミラーに映っていた

「なぁ、さっちゃん」

「なに?」

「頭痛くないか?」

「全然痛くないよ!」

「それは良かった。
じゃあすごーく沢山検査する病院は辞めて
超簡単に検査する病院に行こうか。
そこは俺のお姉ちゃんが看護婦さんしてる病院なんだ。
そこにする?」

「…うん、そこにする」

「よし。わかった。
お姉ちゃんに
超簡単にするように言っとくからな」

「うん」

その会話が終わると
ルームミラー越しに真穂は小さく頭を下げて
真穂をぎゅっと抱きしめていた
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