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舞い降りた天使
第1章 レモングラス


「いいんです。
本当のことだから」


栗原くん…あの…
手が…手が私の手に…


「徳永さんの言う通り
俺は何も知らないです。
だから声をかけました。
徳永さんの話し相手になりたいです」


ねぇ、手が…


「愚痴を聞いたりしたいです。
さくらちゃんの話も聞きたいです。
人には話せない
さくらちゃんの自慢話も聞きたいです」


「栗原くん!」


「はい」


「手」


「えっ?」


「だから、手!」


「あ、あーすみません。
もう友達感覚になってました」


「と、友達って」


「だから友達ってゆーか
話し相手って感じでいいんで」


「え?」


「電話番号教えて下さい。
俺、かけますから」



何が何だか全く分からなかった

どうして栗原くんが
そんなことを言うのか

どうして
こんな私に
そんなことを言ってくれるのか

あんな酷いことを
言ってしまったのに…。


全く理由は
分からなかったけど

手のことを気にしてるフリを
ずっとしながら

ほんとは
少し嬉しくて

ほんとは
話だけでも聞いて欲しくて

もし
栗原くんが
何か企んでいたとしても
それでもいいかななんて
思ったりしていて


私は
栗原くんに携帯番号を教えて
メールアドレスを交換してしまった


まるで
押し切られたような感じで

ノリで教えてしまったようなフリで

仕方ないなって
お芝居をしながら
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