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舞い降りた天使
第11章 覚悟

姉ちゃんは俺より
10歳も年上

小さくて訳わかんなかった俺より
ずっと両親の非道を見てきたし
感じてきたはず

もちろん
俺に対して
親がどう接してきたのかも
俺よりわかってる

だからだろう
俺が真穂に惹かれた理由を告げると
それから姉ちゃんは
あまり何も話さなくなった


きっと
真穂とのことは反対してるはずだ

でも

俺が求めてるものが
ハッキリした今
それを強く否定することもできなくて
葛藤してる

そんな感じだった

そんな姉ちゃんを見てると
ふと
昔の姉ちゃんを
思い出してしまう


壊れてしまった
あの頃の姉ちゃんを…


「ごめん、心配かけて…
姉ちゃんに
心配とか迷惑とか
かけるつもりはなかったんだ」


「……」


相変わらず
姉ちゃんは無言のままで
俺に背中を向けていた


「徳永さんが可哀想で、俺…
徳永さん見てたら
辛そうにしてる
姉ちゃん見てるみたいで
ほっとけなかったんだ」


「……」


「ごめん」


世話になった姉ちゃんに
心配させるようなこと
したくないって思ってる

けど

姉ちゃんを見れば見る程
俺、真穂をほっとけないよ…


それから少し
気まずい時間が流れた後
やっと姉ちゃんが
ポツリと呟いた


「覚悟、あるの?」


覚悟って…

真穂とやっていく覚悟?

血の繋がりのない
さっちゃんを育てる覚悟か?

それとも旦那と戦う覚悟


「あるよ。
とっくに覚悟は決めてるんだ。
あるから今日だって」


「あんたじゃないの」


「えっ」


「徳永さん」


「……」


「徳永さんが覚悟してるのかって聞いてるの」


俺は
姉ちゃんのその言葉に
即答できないでいた
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