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舞い降りた天使
第11章 覚悟
「こないだは
ほんとの事言えなくてごめんな。
駿太に不倫だって言えなかった」


「いいよ。

なんとなく
気付いてたし」


「そっか」


「その人……」


「ん?」


「……」


駿太は言いにくいのか
俯いたまま黙りこくり
頭をポリポリとかきむしった


「どんな人か聞きたいのか?」


「あ~まぁ…」



「優しい人だよ。

すごく優しいお母さんなんだ。

不器用だけど
一生懸命子供のために頑張ってる人」



「…そっか」



「旦那…家族ほったらかしみたいで
大変そうだったんだ。

仕事も、家事も、育児も…
辛そうで
見てらんなくてさ

それで
助けたくて

なんか…


好きになってた」



「……らしいかも」


「え?」


「タクニイらしいかも」


そう言って
顔を上げた駿太は
クスッと笑った


「なんだよ」


「好きになってたとか
恥ずかしくねーのかよ」


「お前が聞きたそうにしたんだろ?」


「してないし~。
あ、けど…」


「ん?」



「タクニイが
こんな話してくれたの初めてだね。

好きとか言ったのも
はじめてかも」


「そうか?」


「うん」


「そっか…」



「うん」



「不倫とか…がっかりしたよな」


俺は
お前のいい兄ちゃんでいたかったよ

ごめんな
なんか
こんなんでさ


「……そうじゃないけど…」



「いや

そもそも
俺が駿太に言えなかったんだ

そーゆーことだよ」


なんだか俺は
駿太の顔を見れなくなって
ベットに寝転がって天井を見上げらと
駿太はベットから降りて
俺に背中を向けて座った




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