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舞い降りた天使
第11章 覚悟
「タクニイ」
「ん?」
「不倫はよくねーよ」
「……そうだよな」
駿太の言葉が
グサリと俺の胸を突き刺した
「俺は絶対不倫はしない」
「…うん」
「けど
もしもあの時」
「あの時?」
「母さんが
辛くておかしくなってた
あの時
母さんが誰かと不倫したなら
それは
まぁ…
ありかなと
今は思うよ」
「駿太…」
「俺も
ちょっとは大人になったんだ。
こそこそ
内緒にすんなよな。
タクニイが不倫するなんて
それなりの理由があるんだろ?」
「…そうだな…」
「じゃあ言えよな、ちゃんと。
仲間外れとかすんなよ」
「ごめんな」
「それから…」
そう言って
駿太は振り向いて
俺と目を合わせた
「離婚とかカタオヤとか
珍しくないから」
「え?」
「小学校の時だって
クラスにそんなやつ何人かいたし
『離婚したんだって、へー』
みたいな会話
案外子供は普通にやってるから。
まぁ…
俺は平気じゃなかったけどさ」
駿太はそう言うと
俺に変顔を見せた
その変顔を見て
俺は泣きそうになっていた
離婚や不倫が平気じゃなかった駿太が
俺を勇気付けるなんてさ
どんだけいい奴なんだよ
と。