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舞い降りた天使
第12章 通告
俺は
真穂の部屋を
どれくらい見上げていただろう…
相変わらず
真穂から携帯に連絡はない
もう…帰るか
そう思い始めた時
真穂の部屋のカーテンが突然閉まり
部屋の灯が漏れなくなって
窓一面が真っ暗に…
そしてその後
少しだけカーテンの隙間が空き
その間から人影が見えた
真穂だ!
会いたくて会いたくて
たまらない真穂
俺は
急いで身を乗り出し
車から降りようとした
……ぁ…
けどそれは
真穂じゃなかった
その人影はかなり大柄
俺は
車のシートに
背中をぶつけるようにして
もたれかかると
ハンドルを叩いて奥歯を噛み締めた
くそっ…
あれは多分
真穂の旦那
最悪だな
来なきゃ良かった
旦那のことは
真穂から話を聞いていただけで
実際に見たことはない
でも真穂に旦那がいるのは現実なんだ
そんこと分かってたことなのに
それでも俺は
妙にショックを受けていた
どこかで
旦那の存在をリアルに感じてなかったのかもしれない
そして妙に
真穂が遠い存在に思えて
胸が苦しくて…たまらなくなった
はぁ…
俺は
何も届いてない携帯を確認すると
車のエンジンをかけて
アクセルを踏んだ
姉ちゃんの言う
『覚悟』
というものを今一度考え直しながら