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舞い降りた天使
第2章 パッションフラワー

その日の夕方

私は『早くお迎えに行く』という
桜との約束を守るため
仕事を早く切り上げて
学童保育へと向かった


運転する車の中
学校が近くなると
気が重くなるのはいつものこと

今日は何も注意されませんように…
そう思いながら
私は駐車場に車を停めた

そして
エンジンを止め
車から降りた途端

「あら徳永さん、お帰りなさい。
桜ちゃん待ってますよ」

大野先生に声をかけられてしまった

「あ、あ、はい」

ただの挨拶

それだけなのに
「すみません」
と謝ってしまいそうになって
慌ててしどろもどろ…

本当に情けない

でも気を取り直して

「今日もお世話になりました」

と会釈をして
桜の待ってる教室へと
向かおうとすると

「あ、そうそう」

大野先生の話が始まってしまった


でも今日は
桜とスーパーに行く約束

私は勇気を出して

「あ、先生、今日はちょっと急いでいて…」

と声をかけた

それなのに大野先生は

「あらそう。
忙しくて大変ですね。
あ、そういえばね…」

って言いながら
私と一緒に歩き出した


教室まで
一緒に行くらしい…


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