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舞い降りた天使
第1章 レモングラス
「さっちゃん…」

「ん?」

「ごめんね、今日も遅くなって」

「ううん。
りっちゃんと遊んでたから大丈夫。
先生とお話ししてたの?」

「うん…お母さん…
また大野先生に叱られちゃった」

「え?!!」

ランドセルを背負った桜は
驚いた顔で私を見上げた


ダメだ

桜に心配なんてさせちゃ…


「お母さん、叱られたの?」

「違うの違うの。
大野先生ね
さっちゃんのおやつ
少ないんじゃないの?って」

「少なくないよ!
みんなと同じくらいだし」

さっちゃんは
察しがいい

だから
ほんとの事は言わないで
誤魔化さなきゃ

私が弱音なんて吐いちゃダメ

子供に心配なんて
かけちゃダメじゃない

母親の私は
しっかりしていないと…


つい
こぼしそうになった弱音を
グッとこらえて
私は桜に笑顔を見せた


「そっかー、
じゃあ大丈夫だね。
さっちゃん
みんなよりまだ背が低いから
うーんと食べた方がいいのかなー?って
大野先生心配してくれたみたい」


「そうなんだ…。
あ、そうだ!
おやつじゃなくて
ご飯いーっぱい食べれば
大きくなれるんだよね?
私、今日おかわりする!」


「偉~い。
じゃあおかず、何がいい?」


「ハンバーグ!!」


そう言って笑う桜を見てると
私はいつも

「ごめんね」

って言いそうになる


だって
桜は何も悪くない


私が親として
しっかりしていないだけ


今日は大野先生に
まるで育児放棄でもしているかのように
疑われてしまった


私なりに
頑張っているんだけど…。



桜の身体は確かに成長が遅く
去年登校拒否をしたせいで学力も低い


はぁ…
何回目だろう

学童保育の先生に
注意されたの


私は
学童保育のお迎えの帰り
桜と手を繋ぎ
駐車場まで歩きながら
込み上げてくる涙を
必死でこらえていた


もうこれ以上

どう頑張ればいいんだろうと
思いながら
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