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舞い降りた天使
第14章 着信
何度名前を呼んでも
真穂が戻ってくるわけじゃない
それでも俺は
真穂の名前を呼び続けていた
胸が痛い
涙がこみ上げてきて
喉の奥が痛い
突然の切断が
とてつもなく悲しくてたまらなくて
けど何もできない自分が
悔しかった
もっと繋がっていたかった
もっと真穂の声を聞きたかった
何があったのか
聞いてあげたかった
真穂
教えてくれ
真穂は
どうして
俺に電話をかけたんだよ
電話をかけてくるくせに
なんで何も喋らないんだよ…
なんで突然
居なくなったんだよ
あの時の相談って
…なんだったんだよ…
電話が切れてしまうと
真穂に聞きたいことが
溢れて止まらない
俺の携帯に表示されてるのは
エスクードの電話番号
この番号に触れれば
もう一度真穂に繋がる
真穂と話したい
もう一度声が聞きたい
真穂と…繋がりたい
その番号に触れたくてたまらない
けど
それに触れちゃいけないことくらい
わかってる
真穂が電話を切断したのには
何かマズイ理由があったからだ
くそっ…!
俺は
心の中がぐちゃぐちゃになりながら
ソファを力一杯グーで殴ると
立ち上がってベッドにダイブした
真穂の
『ごめんなさい』という切ない声が
頭から離れない
真穂の
声を殺して漏れる息が
何度も何度も俺を襲う
ゴメンナサイの意味は
なんだったんだよ
突然電話を切ってしまうことか?
それとも
半年前
突然
俺との連絡を絶ったこと?
いいよそんなの
そんなこと
俺は全然気になんかしてないんだ!!
ダメだ
これで終わりになんてしたくない
会いたい
会いたい会いたい会いたい
もう
我慢できないし
とことん嫌われても構わない
決めた
俺は身体を起こして携帯の電源を入れ
すぐに沖縄行きの航空券を予約した
真穂と
さっちゃんに会うために