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舞い降りた天使
第14章 着信

すると


「………っ……」


電話の向こうで
微かに
息を殺すような音が聞こえた


「真穂なんだろ?
真穂なんだよな?」


「………」


何ヶ月ぶりに
声を出して真穂の名前を
呼んだだろう

俺は
愛おしい真穂の名前を言葉にした途端
感情が抑えられなくなってしまった


「真穂…
声、聞かせてくれよ
なぁ…真穂」


「……っう……」


電話の向こうでは
必死で涙を堪えてるような声


「どうした?
何かあったのか?
教えてくれよ、真穂」


「……」


すすり泣くような声は
微かに聞こえるものの
真穂は
一言も話さない

それでも俺は
何度も真穂に声をかけた


「さっちゃん、元気か?
真穂も、元気?」


「………」


「今、一人?」


「……」


「俺に用があったんだろ?
話したいことがあったんだよな?
なんでも聞くよ。
何時間でも聞く。
ほんとにそう思ってるんだ。
だから頼む
電話、切らないで。
この電話が切れたらもう
真穂と繋がらない気がして
…怖いんだ」




「……」



「真穂…



真穂の声が聞きたいよ…」




「………」


それでも

真穂が口を開くことはなかった


「けど…嬉しいよ。
声、聞けなくても嬉しい。
真穂から連絡くれるなんて
思ってなかったから
ほんと
嬉しいんだ」



「…っ……」



「電話くれて…っ…ありがとな。
ほんとに、あっ…」


必死で泣かないように
涙を堪えながそこまで伝えると
電話の向こうで
俺のその言葉を遮るように
携帯電話の呼び出し音が鳴った

真穂の携帯かも知れない

そう思った瞬間だった

俺の耳に届いたのは
真穂の
「ゴメンナサイ」
という囁くような声

そしてその言葉を最後に
俺と真穂を繋げていた電話は
切断されてしまったんだ


「ま、真穂?
もしもし?真穂?

真穂!

真穂!


真穂…っ……真穂…」


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