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舞い降りた天使
第17章 決戦
決戦を控えたその日
俺達は諸々の買い出しに出かけ
部屋に戻って来たのは夕方だった
「さっちゃん疲れたろ?
昼寝でもするか?」
バタバタと時間を過ごしてるせいか
部屋に戻ると
さっちゃんは眠そうな顔をしていた
さっちゃんは寝たくないのか
首を横に振って見せたけど
どう見ても眠そうな顔
「さっちゃん
ジュース入れてあげるから
栗原くんとソファに座ってて。
栗原くんも疲れたでしょ?
ハーブティ
私、入れていい?」
「あ、もちろん。
レモングラスがいいな。
じゃあさっちゃん
座って待ってようか」
「…うん」
やっぱり疲れてるのか
さっちゃんはおとなしくソファに腰掛けた
ソファは二人掛け
小さなさっちゃんなら
余裕で座れるはずなのに
なぜか俺に寄りかかるようにしているのが
たまらなく愛おしい
数時間後の決戦を思うと
胃が痛くなりそうなのに
さっちゃんを見てると癒されるな…
この子の為なら
この子が望むなら
どんな決戦も頑張れる気がするよ
守れるものなら
俺がずっと守ってやりたい
「やっぱり寝ちゃった?」
「…うん」
さっちゃんは座るとすぐにウトウトし始め
真穂のハーブティが届いた時には
俺にもたれかかったまま
眠ってしまっていた
「重いでしょ?
そのまま横にさせても大丈夫よ」
「いいよ、平気」
真穂は
さっちゃんをソファに
一人で寝かせてもいいと言ってくれたけど
俺はこのままでいたかった
「もったいなくってやめられないよ。
委ねられてる感じがたまんなくて…
パパだと思ってもらってる感じがして
幸福感半端ない」
そう言うと
真穂は俺の足元に
腰をおろしながら呟いた
「お姉さんに…会うの?」
「…うん」
「ごめんね」
「俺が連れて来たんだ。
真穂が謝る理由なんてないよ」
「私も…行っちゃだめかな」
「今日は一人で行くよ」