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舞い降りた天使
第20章 返信


なんとか教材の準備を整え
登校した日の翌朝

桜は
学校に行く時間になっても
まだ
お布団の中にいた

そんな桜の枕元
私は重い心を隠しながら
桜に話しかけた

「お腹、どのくらい痛い?
病院行った方がいいくらいかな?」

「…病院はいい」

病院へ行かないということは
…そういうことだ

「じゃあ
ゆっくり寝て治そうね。
学校のことは気にしなくていいからね」

「…お母さん」

「ん?」



「…ごめんなさい」


桜のその一言に
涙が込み上げていた

これが離婚の代償
そして
ダメな母親である証拠…と。

こんな思いさせてるのは
私なのに…と。

「さっちゃんは悪くないよ。
謝らなくていいの。
お母さんこそごめんね」

そう言って
桜の頭を撫でると
桜の目からポロポロと涙が溢れた

ごめんね、桜

お母さん
どうすれば良かったんだろうね

どうすれば
桜に辛い思いさせなかったんだろうね

脳裏には
駿太くんが桜に話してくれた
「お母さんにごめんねと言わせたくないだろ?」
という言葉が浮かんでいたけど
謝らずには
いられなかった

だって

本当に桜は悪くないんだもの


「お母さん…」


「ん?」


「でも私ね」


「うん」


「沖縄は嫌」


「うん。沖縄行かなくていいよ」


「それとね」


「うん」


「パパには会いたくない」


「うん。
話してくれてありがとう。
よくわかったから安心してね。
大丈夫だよ」


そう言って
桜の涙をぬぐい
笑ってみせると
桜は少し
ホッとした顔をして目を閉じた


頑張ってたんだよね

私に心配かけまいと
恥ずかしいと言っていた学校に
頑張って行ったんだよね

それなのに
心無い言葉をかけられたのかも知れない
もしかしたら
誰からも
話しかけてもらえなかったのかも知れない…

こんなことなら
どんなことをされてでも
沖縄へ行かなければよかった…
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