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舞い降りた天使
第21章 スタート
しばらく会わない間に
少し小さくなったような真穂の背中
俺は
真穂の涙が枯れるまで
その小さな背中をさすり続けた
「駿太が言ってたんだけどさ」
「……」
「さっちゃんは今
なんで戻ってきたのかとか
学校で色々言われてるかもだけど
いじめにあってるとかじゃないみたいだから
安定すれば
いい方向に向かうんじゃないかって」
「…安定…」
「うん。
駿太もそうだったんだけど
家が離婚でバタつくようになって
駿太、ひどく不安定でさ
離婚する前から
学校をよく休むようになってたんだ。
学校に行くことにチャレンジし始めたのは
離婚が成立して
姉ちゃんと駿太の2人の生活が
しっくりくるようになったころだったな…」
「……駿太くんも、辛かったんだね…」
「だから
さっちゃんも
真穂の離婚が成立して落ち着けばって
そう駿太が」
「…うん」
「まぁ、ゆっくり
見守ってこうよ。
絶対に学校に行かせなきゃって
真穂も思ってるわけじゃないんだろ?」
「うん。
さっちゃんが
元気で笑顔になってくれたらそれで…」
「大丈夫。
さっちゃんは元気になるよ」
「うん」