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舞い降りた天使
第21章 スタート
それから
真穂が封を切り
畳んで中に入っていた離婚届を
テーブルに広げて置くまで
二人は黙ったままだった
初めて見る離婚届がテーブルに置かれると
俺と真穂は
そこに書かれている文字に見入り
そして数秒がたった頃
真穂の声が俺の耳に届いた
「よかった…大丈夫」
「大丈夫?」
記入漏れは無いのか?
「うん、問題無いと思う」
「ほんとに?」
ちゃんと見た?
「うん、大丈夫」
「よかったーーー」
そう言って
天を仰ぎながら
真穂を抱きしめると
真穂がクスクスと笑った
「え?何?」
「ううん。
巧くん
心配だから俺も確認するって
言ってたのになって思って」
「あ、あははは
俺、離婚届見るの初めてで
どう確認すればいいか
正直わかんなかった」
「クスッ」
そう
結局確認したのは真穂で
俺は何が正しいのかさえ
全く分からないでいた
「俺も確認するーって言ったのは
ただ
真穂に早く会いたくて
真穂の部屋にも
来てみたくて
たまんなかっただけ」
「うん。
それでも嬉しい」
「あとは」
「ん?」
「不安な真穂を一人にさせたくなかっただけ」
「巧くん…」
「さ!すぐ役所に行こ!
一秒でも早く」
「うん」