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舞い降りた天使
第3章 友達

「ありがと…

ちゃんと癒されたよ。

優しくしてもらったから
泣いちゃったけど」



「でも
勝手にやっちゃダメだよな(苦笑)」



「…そうね」


そう言って
少し微笑みながら
はにかむ徳永さんを見ると
また勝手に抱きしめたくなる

どうして
そう思うのか
どうして
俺が癒されてるのかは
わからないけど


「徳永さん」


「ん?」


「俺の話
信じてくれた?」


「…信じる。

それがもし嘘でも」


「え?」

…嘘でも?


「嘘じゃないと思ってるよ。

でも
もし嘘なら…
このまま嘘をついてて欲しい。

そして
私の愚痴を
聞いて欲しい。


私ね



…苦しいの」



徳永さんは
そう言い終わると同時に
また
ハンカチで目を覆った


「うん。
何でも聞く。
でもさ
ひとつ約束して欲しいんだ」


「…っ…うん」


「遠慮はなし。
友達なんだから
遠慮せずに何でも話すこと。
気を使って
結局何も話せないとか無し。

でも…」


「……」


「ただ
そばにいて欲しいとか
話さなくても
電話で繋がってたいだけとか

それはアリ。

そーゆー時って…あるもんな。

約束してくれる?」



徳永さんは
目を抑えたまま
コクコクと頷いた


「じゃ、俺
お茶でも入れるよ。
徳永さんは
ちょっと落ち着いて。
そんな泣いてたら
桜ちゃんに何か言われるよ?
玄関入ってすぐ右のドア
洗面所だから」



「…ん…」


ただ
そばにいて欲しい
話さなくても
電話で繋がってたいだけ

それは…

俺の願望だったのかもしれない

俺は
『友達だ』と言葉にしながらも
そんな事を提案し
そして
自分自身それを期待しているんじゃないかと
洗面所に向かう
徳永さんの小さな背中を見つめながら思った




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