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舞い降りた天使
第4章 過ち

「なんで?」


「えーっと…」


「あ!あれだ!
俺よーく言われるんだよなー」


「え?」


徳永さんは
やっと緊張が取れてきたのか
俺が見たことのない
リラックスした表情を見せた


「女子力高いとか
エクボがあるから優しそうとか
男にもモテそうとか」


「確かに…そうかも」


あまり化粧をしてない
その表情は
あどけなくて
つい
見つめてしまう


「そんで
もしかしたら
男と付き合ってんじゃないかとか(笑)」


「そこまでは思ってないけど(笑)」


仕事中はしっかりしてて
すごく頼りになるんだけど
普段は
なんだか…
ふんわりしてる人だ


「俺がハーブティ詳しかったりすんのは
姉ちゃんの治療のためにハーブティ勉強したから。
それに女子力高いとかそれは
単なる見た目かな(苦笑)
エクボとか顔立ちとかさ。
でも俺本当は
ロールキャベツだから」


「ロール…キャベツ?」


「男じゃなくて女好きだし
草食系に見えて
中は肉食系ってこと」


「そ、そうなの?
というか
そーゆー人のこと
ロールキャベツっていうの?」


「そう。
俺の部屋だって
全然ラブリーじゃないだろ?」


「…うん」


「ほんと普通の男なんだ。
女の子好きだよ?
例えば
せっかくマニキュア塗ってきたのに
恥ずかしそうに
グーして隠しちゃう子とか
可愛いなーって思うし」


すると
徳永さんは
また手をしっかりと握りしめた


「なんで隠すの?
爪、可愛いのに」


「あ、いや、全然
ちょっと塗ってみただけでそんな…」


焦る徳永さんをからかうのは
楽しい


「綺麗じゃん。
でもさ
何も塗ってなくても素敵だと思うよ」


「そんなことないよ。
荒れてて恥ずかしいから」


そう言いながら
徳永さんは
手を背中に回して隠そうとした


「恥ずかしがることないよ。
頑張って家事やってんだなーって
それが素敵だなーって」


そう言って
俺は徳永さんの隠そうとする手を取り
指を開かせると
ツヤツヤした爪じゃなくて
少しカサついた場所を
指でなぞった


「栗原くん…」


「徳永さん
頑張ってるよな…

けどさ
無理すんなよな」


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