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舞い降りた天使
第5章 嫉妬
「ありがとう
真穂」
「……」
真穂…
そう目を閉じて呼ぶと
嫉妬を晴らすために
そう呼んだくせに
俺の胸は更に熱くなった
俺の腕の中にいた
徳永さんの感触が蘇る
抱きしめたい
抱きしめられたい
「真穂ちゃん」
早く会いたい
「な…なに?」
「さっきの話の続きしてもいい?」
「さっきの?」
「うん。
旦那さんの話」
セックスしてんの?
「……うん」
「真穂ちゃん」
「ん?」
「エッチとかしてる?」
「えっ……」
徳永さんは
言葉を途切らせ
沈黙が続いた
そうなることはわかってた
でも
どうしても聞きたかった
せめて
セックスレスであって欲しい
それは
徳永さんにとって
不幸なことなのに
それを願ってる俺は最低だと思う
だからこそ
聞きたい
もし
旦那と仲良くヤってるなら
今なら俺は
ブレーキをかけることができる
でも
そうじゃないなら…
「急にごめんね?
好きかどうか分かんないみたいだから聞いたんだ」
「どういう…こと?」
「レスじゃないなら
その時の気持ちでわかるかなーって。
嬉しいなら好きってことだろ?」
「……そっか」
「真穂ちゃんは…嬉しい?」
「ごめん、分からない。
そういうの
…ずっとないから」
ない…
それも
ずっと…
「そっか…寂しいね」
「……そうね」
ごめん、徳永さん
俺
徳永さんに会いたい
さっちゃんが眠ってるなら
今すぐ会いに行って
抱きしめたい
絶対言葉には出来ないけど
抱きたい
「何もかも
一人きりで頑張って
それでもなかなか上手くいかなくて
癒されることもないなら
ほんと
辛いよな…」
「……うん」
「真穂ちゃん」
「……」
「今度いつ来る?
俺は
今すぐにでも会いたいけど」