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君に熱視線゚
第18章 大切な人[前編]

「苗‥ちょっと用があって俺、送ってやれないからタクシーで帰んな。それに、これからは忙しくてもう送ってやれないから──…ごめんな…」


謝る晴樹に苗は言った



「兄さん、気にしなくていいょ!
兄さんは仕事してる身なんだからさ。
帰りだって歩いて20分だし、全然だいじょびだょ!

今まで、だって歩いて帰ってたんだからっ」


「そうか‥

じゃ、マスター。タクシー呼んで」


マンゴーラッシーを美味しそうに飲む苗をニコニコ眺めながらマスターは店の受話器を手にして晴樹に言った



「ハルもたまにはクラブの方に顔を出せよ。
やっぱ、お前が来るのと来ないのとじゃ売り上げが違うからな〜
貴志の方は貸し切りした日から良く顔出してくれるんだけど‥


ついでに妙な連中も連れて来るからよ……いつ、ドンパチやられるかと思うとヒヤヒヤするぜ」


マスターは隅の席で新聞を広げている男にチラリと視線を流しながら訴える。

そして、電話に呼び掛けていた。


晴樹達が溜まり場にしているクラブハウス。
ブルー・ムーンはこの珈琲ショップのマスター、ヒロさんが経営している店だった。


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