この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君に熱視線゚
第50章 番外編
『ほらほら…いいって言ってんだから…ズッコーン! と一気にヤッちゃえよ…』
「………」
黒い翼をもったニヒルな顔立ち…
ちびデビル晴樹だった…
そんなイケイケの囁きにちょっと晴樹のハートが痛む。
『ダメに決まってるだろズっコーンなんてヤッちゃ!! 今回も諦めた方がいいって。あんなに怖がってるし…』
「…っ…」
だからズっコーンてのはやめろって…
白い翼のエンジェル晴樹が晴樹の良心をツンツンと矢の先でつつく…
お互いに牽制しあい、いがみ合う天使と悪魔。
(悪)『お前な、男と女には勢いってのが大事なんだぜ!!』
(天)『…ウグッ……』
それも確かに言えてるな…
言い切られて押しやられる天使。晴樹の心の天秤が、微かに悪魔の方に傾いた。
(悪)『それにな、“今回も”を一体何回繰り返せば済むんだってこった!!』
…言えてるっ!!
悩みを浮かべていた晴樹の瞳がキラッと光りを帯ていた。
いつの間にか大の字から胸の上で手を組みシスターのように祈る姿の苗を晴樹は射抜くように見据える。
悪魔の最後の決め手で天使はキャーっと叫びながら晴樹の心から押し出されていたのだった………