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エメラルドの鎮魂歌
第5章 青い鳥の唄
「嵯峨先生が、俺を人生の出発点に立たせてくれた。
…それから、ひとを好きになることを教えてくれた…。
ひとに憧れることがどれだけ楽しいか…先生が教えてくれた」
「…え?」
郁未が驚いたように長い睫毛を瞬かせる。
鬼塚が眉を顰めた。
郁未に近づき、少し背伸びをするとその耳元で囁いた。
「…大好きだったよ、先生。
鬼塚と幸せにね…」
「え?…ちょっ…藍…」
慌てふためき、弁解しようとした時…
その唇は、藍にそっと優しく塞がれた。
「…先生から卒業するお祝い…勝手にもらった」
呆気にとられる郁未に、藍はからりと明るく笑った。
…それは十五歳の少年らしい無邪気な屈託のない笑いだった。
「おい、藍!ふざけるな!」
鬼塚が腹立たしげに藍の頭を叩き、青山が感心したように呟いた。
「…意外に筋は良いかもしれないな…」
…それから、ひとを好きになることを教えてくれた…。
ひとに憧れることがどれだけ楽しいか…先生が教えてくれた」
「…え?」
郁未が驚いたように長い睫毛を瞬かせる。
鬼塚が眉を顰めた。
郁未に近づき、少し背伸びをするとその耳元で囁いた。
「…大好きだったよ、先生。
鬼塚と幸せにね…」
「え?…ちょっ…藍…」
慌てふためき、弁解しようとした時…
その唇は、藍にそっと優しく塞がれた。
「…先生から卒業するお祝い…勝手にもらった」
呆気にとられる郁未に、藍はからりと明るく笑った。
…それは十五歳の少年らしい無邪気な屈託のない笑いだった。
「おい、藍!ふざけるな!」
鬼塚が腹立たしげに藍の頭を叩き、青山が感心したように呟いた。
「…意外に筋は良いかもしれないな…」