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エメラルドの鎮魂歌
第6章 招かれざる訪問者
「…ああ…っ…いや…そんな…深…い…」
…有島に覗かれていると分かっているのに、淫らな睦言を止めることが出来ない。
…いや、寧ろいつもより激しく反応してしまう自分を瑞葉はうっすらと感じていた…。
「…んんっ…は…ああ…っ…い…いい…!」
瑞葉の華奢な身体を壊さんばかりの八雲の逞しい腰遣いが、痺れるような快楽に誘う。

「…瑞葉様…。どうされましたか…今夜はいつもより激しく感じておられますね…。
私の…をきつく締めつけて…離さないですよ…」
八雲の淫らな囁き声を有島に聞かれなくなくて、瑞葉はその唇を唇で塞ぐ。
「…んんっ…はあ…っ…ん…いや…い…や…ああ…」

八雲の引き締まった美しい肩越しに、暗闇に不気味に光る黒い瞳と目が合う。

…見ないで…お願い…見ないで…!
声にならない声を上げる。
瞼を硬く閉じ、有島の眼差しを遮断する。
残る残像に見つめられ、瑞葉は泥濘んだ温い底なし沼のような悦楽に身体を奪われる。

「…ああ…いや…い…や…ああ…っ…んん…!」
…八雲に無慈悲に押し開かれた下肢の奥…
有島からは、瑞葉の熟れた石榴のような色の淫孔が露わに見えているだろう…。
八雲の怒張した牡が激しく出入りする様も…そして瑞葉の体液と八雲の先走りの牡液が摩擦によって白く泡立つ様も…。
…何もかもがあからさまに露呈しているのだ…。

…いや…いや…!

瑞葉は恐怖と羞恥と…それに勝る歪んだ悦楽を微かに感じ、そんな己れに身震いするほどの嫌悪に翻弄される…。

「…瑞葉様…。快楽に溺れる貴方は、何より美しい…。
この美しい貴方は、私だけのものだ…。
貴方は誰にも渡さない…」
八雲の美しい瑠璃色の瞳が近づき、瑞葉の視界を覆い尽くす。

瑞葉が催眠術にかけられたかのように意識を手放すまで、そう時間はかからなかった…。

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