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エメラルドの鎮魂歌
第7章 木漏れ日の道
…青山が再び軽井沢の屋敷に訪れたのは、それから二月ほど経った雪が降りしきるクリスマスイブのことであった。
藍は連れずに一人だった。
胡桃色のツイードの洒落たスーツに黒のカシミアのコート…戦時中だというのに、シャンゼリゼ通りを歩くような伊達男ぶりだ。
出迎えた八雲に、青山は意味ありげに凛々しい眉を上げた。
「…やあ、久しぶりだね。
…色々言いたいことはあるが、今日は私はサンタクロースだ。陽気にいきたいものだな」
青山の口調は朗らかであったが、その人好きする瞳に笑みはなかった。
八雲は端正な表情を微塵も変えずに、慇懃に答えた。
「…晩餐のご用意をさせていただいております。
お話はそちらで…。
瑞葉様がお待ちになっています」
藍は連れずに一人だった。
胡桃色のツイードの洒落たスーツに黒のカシミアのコート…戦時中だというのに、シャンゼリゼ通りを歩くような伊達男ぶりだ。
出迎えた八雲に、青山は意味ありげに凛々しい眉を上げた。
「…やあ、久しぶりだね。
…色々言いたいことはあるが、今日は私はサンタクロースだ。陽気にいきたいものだな」
青山の口調は朗らかであったが、その人好きする瞳に笑みはなかった。
八雲は端正な表情を微塵も変えずに、慇懃に答えた。
「…晩餐のご用意をさせていただいております。
お話はそちらで…。
瑞葉様がお待ちになっています」