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エメラルドの鎮魂歌
第7章 木漏れ日の道
…翌日、藍は迎えに来た青山と共に帰っていった。
部屋に引き籠ってしまった瑞葉とは、言葉はおろか貌を合わせることもなかった。
…ただ、車に乗り込む際に、一度だけ八雲を鋭い眼差しで睨みつけた。
しかし、藍は何も言葉を発することなく、男から貌を背け車内に消えた。
…そうして、彼が再びこの地を訪れることはなかった。
瑞葉もまた、藍の名前を口にすることは二度となかった。
…瑞葉と八雲の二人だけの閉じられた静寂に満ちた生活が再開した。