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エメラルドの鎮魂歌
第7章 木漏れ日の道
暫しの沈黙ののち、青山は深いため息を吐いた。
「…分かったよ。もう何も言うまい。
君の愛はやりきれないほどに重く深く果てしないが、それは瑞葉くんも同様のようだ」
…あの青年は、この冷酷で傲慢で…けれど悪魔的なまでに美しい執事がいないと生きてはいけないのだ。
その眼差しで、指先で…全身全霊で彼を求めているのが分かるからだ。
…お互いの愛と肉欲の強さに恐れおののきながらも求めることを止めることはできない…。
それが、この二人の愛の形なのだ。

「…けれど、約束してくれ。
瑞葉くんを不幸にはしないでくれ。
…そして、君が少しでも迷ったら私を呼んでくれ。
これは君の友人としての頼みだ」
真摯な言葉と表情に、八雲は眼を細める。

「…貴方はやはり変わったお方だ…」
可笑しそうに笑いながら、しみじみと呟く。
「…藍様は、お幸せですね。そんな貴方に愛されて…」

そして居住まいを正し完璧に美しいお辞儀をすると、端正に別れを告げた。
「…そのお言葉は、大切に頂戴いたします。
ご機嫌よう、青山様」

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