この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
エメラルドの鎮魂歌
第7章 木漏れ日の道
ランプを手に、瑞葉の部屋を訪れる。
寝台に腰掛け、背中を見せる瑞葉が視界映る。
…彼はやはり藍の絵を手に、項垂れていた。
「…藍さんは…僕を許してくれたのかな…」
振り返ることなく、小さな声が自問するように問いかける。
堪らずに八雲はランプを置き、歩み寄る。
「貴方は何も悪くない。諸悪の根源は私です。
…私が貴方も藍様も傷つけた…。故意に傷つけた。
ただ、私の醜いエゴのために…」
瑞葉がゆっくりと八雲を見上げた。
美しいエメラルドの瞳は、透明な涙で溢れている。
「…八雲…」
手を伸ばし、その美しい貌の輪郭をなぞる。
「けれど私は後悔はしていません。
…これからも貴方の手は離さない。
どんなことが起きようとも…」
瑞葉の白く華奢な手が伸ばされる。
薔薇色の唇が、そっと開かれた。
「…連れていって…。
天国でも…地獄でも…お前が行くところなら、どこへでも…」
その手を引き上げ、強く抱きしめる。
嗅ぎ慣れた伽羅の薫りに包まれる。
合わせるだけの静謐な口づけを交わす。
言葉は交わさなかった。
どちらからともなく唇を離し…寝台に置かれた藍の絵を見つめる。
…キャンバスの中の瑞葉は、木漏れ日を浴びながら無垢に微笑んでいた。
寝台に腰掛け、背中を見せる瑞葉が視界映る。
…彼はやはり藍の絵を手に、項垂れていた。
「…藍さんは…僕を許してくれたのかな…」
振り返ることなく、小さな声が自問するように問いかける。
堪らずに八雲はランプを置き、歩み寄る。
「貴方は何も悪くない。諸悪の根源は私です。
…私が貴方も藍様も傷つけた…。故意に傷つけた。
ただ、私の醜いエゴのために…」
瑞葉がゆっくりと八雲を見上げた。
美しいエメラルドの瞳は、透明な涙で溢れている。
「…八雲…」
手を伸ばし、その美しい貌の輪郭をなぞる。
「けれど私は後悔はしていません。
…これからも貴方の手は離さない。
どんなことが起きようとも…」
瑞葉の白く華奢な手が伸ばされる。
薔薇色の唇が、そっと開かれた。
「…連れていって…。
天国でも…地獄でも…お前が行くところなら、どこへでも…」
その手を引き上げ、強く抱きしめる。
嗅ぎ慣れた伽羅の薫りに包まれる。
合わせるだけの静謐な口づけを交わす。
言葉は交わさなかった。
どちらからともなく唇を離し…寝台に置かれた藍の絵を見つめる。
…キャンバスの中の瑞葉は、木漏れ日を浴びながら無垢に微笑んでいた。