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エメラルドの鎮魂歌
第8章 エメラルドの鎮魂歌 〜終わりの序曲〜
…一瞬、瑞葉は驚いたように小さく震えたが、直ぐに従順に身を任せ、柔らかくその花の唇を開いた。
「…んっ…あ…ああ…」
滑らかな動きで、和葉の舌がその唇を優しくこじ開け、温かな口内をしなやかに彷徨う。
「…兄様…可愛い…」
温かな言葉と息吹を吹き込まれ、瑞葉はあえかなため息を漏らしながら、舌を絡ませた。
痺れるような甘い快感が二人の身体を走り抜ける。
「…ああ…かず…は…」
瑞葉の薄い舌が、大胆に濃密な口づけを求める。
…あんなに可愛かった弟が…こんなに官能的な口づけをするなんて…。
禁断の甘い果実を…二人は陶酔しながら、味わう…。

…和葉は存分に兄の甘やかな口づけを味わい尽くし、そっと舌の戒めを解いた。
静かに唇を離し、啄ばむような愛らしいキスを贈る。

「…八雲の気持ちが少し分かった…。
兄様の麻薬のような魅力がね…」
エメラルドの瞳がうっとりと潤み、細められる。
薔薇色に染まった頬を、和葉に寄せる。
「…ばか…」
…ねえ…と、耳元で瑞葉が囁く。
「…キス、上手いんだね…。和葉、好きなひとがいる?」
琥珀色の美しい瞳が頷く。
「うん、いるよ。
同じ海軍所属だ。すごくハンサムで強くて優しいひと…。八雲よりいい男だ」
二人はくすくす笑い合う。
…だから…と、和葉が力強く瑞葉を身体の上に引き上げる。
「もう、僕のことは心配しなくていいよ。
…僕は今、すごく幸せだから…」
「…和葉…」
優しい抱擁が繰り返される。
和葉の胸に貌を埋め、囁いた。
「…必ず、帰ってきて…。そのひとのために…」
「…兄様…」

春の優しい夜風が、寝台の紗幕をさらさらと揺らした。
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