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エメラルドの鎮魂歌
第10章 エメラルドの鎮魂歌 〜二つの月〜
「…あ…だめ…藍さ…」
熱いキスが落とされ、そのまま顎を持ち上げられ、背後から唇を貪られる。
「…んんっ…ああ…は…ああ…んっ…」
丹念に舌を絡められ、濃密に口内を愛撫される。
口づけを交わしている間に、青山によりすべての衣服が脱がされる。
一糸纏わぬ生まれたままの姿になる。
…月明かりが、真珠色に輝く瑞葉の裸体を輝かせた…。

「…んん…っ…い…や…青山…さ…ま…」
…青山は、本気で藍が自分を抱いているところを見ているつもりなのだろうか…。
「…とても綺麗だよ。瑞葉くん。
私は綺麗なものが大好きだ」
「…い…や…やめさせて…ください…」
美しいエメラルドの瞳に涙を溢れさせて懇願する。
「藍が嫌いか?」
蜂蜜色の髪を乱しながら首を振る。
「…違います…僕は…」
「君を抱いても藍は穢れたりしないよ。
…それに…」
青山は瑞葉の下腹部に兆している薄紅色に染まった花茎を優しく握り締める。
「…ああっ…だめ…!」
「君の身体は快楽を求めている。
…素直になりなさい…」
「…んんっ…は…ああ…」
耐えきれぬように藍に背中を預ける瑞葉の貌にキスを落としながら、藍は青山を睨みつけた。
「勝手に触るなよ。あんたは見ているだけだ。
…今夜は…」
青山が喉奥で低く笑い、素早く藍の唇を奪う。
慣れた大人の口づけが交わされるのを、瑞葉はぼんやりと見つめる。
…背徳の薫りに満ちた甘く…濃密な情事の予感に眩暈を覚える。
「私も混ぜては貰えないのか?…残念だ」
…朗らかに笑い…では…と、青山は瑞葉を抱き上げた。

向かい合わせに座らされ、か細い腰を藍に向けて突き出すような淫らな格好をさせられる。
「…ああ…や…めて…こんな…だめ…」
震える唇を今度は青山が優しく吸った。
…八雲とも藍とも違う…大人の成熟した口づけ…。
くらくらとするような濃厚な口づけだ。

「…藍、瑞葉くんがもっと気持ちよくなるように、優しく可愛がってあげなさい…。優しく…丁寧に…」
髪を撫でられ、耳朶に囁かれる。
鼓膜が甘く熱を持つ…。


「…分かってる…。…瑞葉…怖がらないで…俺を信じて…」
背後からゆっくりと白く小さな双丘が押し開かれる。
「…ああ…っ…だめ…藍さ…んんっ…」
身悶えた拍子に、可憐な小さな花蕾が露わになる。

藍が熱いため息を吐く。
「…綺麗だ…。あんたはどこもかしこも綺麗なんだな…」






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