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エメラルドの鎮魂歌
第11章 エメラルドの鎮魂歌 〜孤独の魂〜
その男の来訪は、やはり突然であった。

…漸く春の訪れが感じられる軽井沢の四月…。
緑が一斉に芽吹き出したプロムナードを、まるで王族のように優雅に…そして犯しがたい威厳を辺りに払いつつ男は歩んで来た。

「…青山様、そろそろお見えになる頃かと思っておりました」
恭しく一礼をし、出迎える。

青山は八雲を少し驚いたように見つめ、目を細めた。
「窶れたな…。
…だが、それがまた堪らない色香を漂わせている…」

この男の酔狂ぶりは、相変わらずのようだ。
それには答えずに僅かに微笑みを浮かべ、屋敷の中にいざなう。

…尋ねたくて堪らない言葉は、ひたすらに胸の奥底に仕舞い込んで…。
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