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エメラルドの鎮魂歌
第12章 エメラルドの鎮魂歌 〜瑠璃色に睡る〜
男は貪欲に瑞葉の唇を需め続けた。
性急にアメジスト色のジャケットを脱がせ、シャツのリボンタイを解く。
「…あ…っ…待って…」
…聞きたいことがある…。
そう瑞葉は不安げに八雲を見上げた。
「…何ですか?」
八雲は瑞葉の白く華奢な首すじにキスを落とす。
「…お母様のことを…愛していたの…?」
…自分が八雲の子どもということは…千賀子と八雲が愛し合ったから…なのだ…。
それが、禁忌より何より厭わしかったのだ…。
八雲が静かに首を振る。
「…いいえ。千賀子様のことは、ご同情申し上げておりました。
…そして…あの夜に二人の間にあったのは…獣のような欲情だけでした…」

…八雲は孤独な千賀子に憐憫めいた感情を抱いた。
千賀子は、自分を雌にしてくれる雄を求めていた。
愛情はなかった…。
けれど、その結晶に…命よりも愛おしい愛情を抱いた…。
欲望も…同じくらいに抱いた…。

「…貴方のことは、ご誕生の瞬間から愛しておりました。
貴方の存在すべてに…私は愛と執着を抱いた…。
私は…きっと間違っていたのでしょう。
けれどそれを正すことはできなかった…。
…それが私の罪です…」

…そう語る八雲に、瑞葉は首を振った。
「…もういい。僕を愛してくれていたなら…それでいい…。
世間も…神様も…誰も許さなくても…僕が許す…。
僕がお前を愛しているから…。父親だと分かっても…愛しているから…。
…それでいい…」
「…瑞葉…!」
新たな涙を指で拭い、震える薔薇色の唇を奪う。

「…抱いて…八雲…」
縋り付いてくる華奢なか細い身体を抱き締め、苦しげに尋ねる。
「…怖くはありませんか…?
父親だと分かった私に抱かれるのは…」

潤んだエメラルドの瞳が、微かに揺れる。
「…少し…怖いよ…。でも…僕は八雲を愛しているから…。
怖くても…お前が欲しい…」
「…瑞葉様…!…私も…貴方が欲しい…!
貴方が私の子どもだとしても…貴方のすべてを…我がものにしたい…!」
深い瑠璃色の瞳が欲望を滲ませ、熱く瑞葉を見つめた。

「…して…八雲…何も考えられないくらいに…僕を抱いて…」
エメラルドの瞳が妖しく淫蕩に輝く。
伽羅の薫りが高まる中、八雲は甘い眩暈を覚える。

「…瑞葉…!」

…八雲は、もう躊躇はしなかった…。

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