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エメラルドの鎮魂歌
第1章 罪と嘘のプレリュード
「…大人になる…準備…?」
瑞葉はその白く滑らかな頬に透明な涙を滴らせる。
「はい。大人になるために、お身体が変化されるのです。
何のご心配もいりません」
八雲に涙を拭われ、瑞葉は安堵したように瞬きをした。

八雲は、いつまでもその美しい貌の稜線をなぞり続ける。
密やかに、秘密の話をするように声を潜める。
「…瑞葉様は…ここをご自分でお触りになりましたか?」
八雲の美しい手が湯を潜り、ゆるりと瑞葉の下肢を辿る。
「…あっ…!」
「…ここを…擦ったりなさいましたか?」
男の長くしなやかな指が、柔らかく…しかし逃さないように瑞葉のまだ幼い花茎を握りしめた。
「…や、八雲…や…だ…」
瑞葉は羞恥に赤くなり、いやいやをする。
「正直にお答え下さい。…ご自分で弄られましたか?」
八雲の引き締まった胸に貌を埋め、掠れた声で答える。
「…してない…そんなこと…」
「本当に?何もなさってはいないのですね?」
瑞葉は黙って小さく頷いた。
震えるか弱く美しき生き物…。
薔薇の香油の香りに、瑞葉の伽羅の香りが混ざり合い八雲を恍惚とさせた。

八雲の中で、ひとつの熱く仄暗く湿った決意が生まれる。
「…では、私がお手伝いいたしましょう。
瑞葉様が大人になられるためのお手伝いを…」
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