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エメラルドの鎮魂歌
第2章 その薔薇の秘密は誰も知らない
瑞葉は精を放つと、まるで静かに眠りの世界に陥るように意識を手放した。
身体の弱い瑞葉には、射精もかなりの体力を奪われるのだ。
だから、本当は毎日その愛おしい身体を愛でたい欲求を堪えて、数日置きにしているのだ。
放逐を終えた瑞葉の身体を綺麗に清める。
瑞葉の白い花蜜は、まるで美しい真珠の粒のように下肢に飛び散っていた。
八雲は静かにその夜着を脱がす。
瑞葉の身体に触れるようになってからも、まだその夜着は脱がしてはいない。
いつもその長い夜着の裾を捲るだけだ。
全てを脱がさないのは、瑞葉の羞恥心を慮ってのことだった。
まだ稚い瑞葉を全裸にしてその身体を弄るのは、あまりに刺激が強すぎるだろう。
また、着衣のまま淫らな行為に耽溺する瑞葉の姿は清らかな聖女と淫らな娼婦が同居しているようで…その淫靡さに、八雲は激しく劣情を催すのだ。
新しい夜着を着せ寝台に瑞葉を寝かせる。
蜂蜜色の長く美しい髪は白い枕にふわりと広がり、その美貌は目を閉じていても息を飲むほどに夢幻のような麗しさを湛えていた。
…まるで眠れる森の美女のオーロラ姫のような優美さと清楚な様は、先ほどまで八雲の腕の中で淫らに喘いでいた人物とは思えないほどだ。
…瑞葉様…。
八雲は、そっとその可憐な薔薇の蕾のような唇にキスを落とす。
瑞葉から脚の真実を告白された時、八雲の心は喜びで打ち震えた。
嘘を吐いてまで自分を側に引き留めて置こうとした瑞葉の健気さに心打たれ、そして密かに決意をした。
…このまま、この事実は二人だけの秘密にしようと…。
歩けぬままであったら、八雲はこのままずっと瑞葉の側で彼のためだけに仕えることができる。
八雲だけの瑞葉であり続けるのだ。
…私だけの瑞葉様だ…。
八雲は暗い悦びに酔い痴れる。
…誰とも共有をしない…誰にも晒さない…誰にも触れさせない…。
八雲の脳裏にふとある一枚の妖しくもどこか生々しい絵のような幻覚めいた光景が浮かんだが…彼は直ぐにそれを振り払う。
…この美しい秘密の花園の奥深くに咲く儚げな薔薇は…八雲ひとりのものなのだ。
…永遠に…私ひとりのものだ…。
八雲の端正な唇に薄い笑みが刷かれる。
八雲はその深い瑠璃色の瞳に冷たくも熱い愉悦と欲望の光を灯しながら瑞葉を見つめ、今一度その白く清らかな額に口づけを残すと、そっと部屋を後にした。
身体の弱い瑞葉には、射精もかなりの体力を奪われるのだ。
だから、本当は毎日その愛おしい身体を愛でたい欲求を堪えて、数日置きにしているのだ。
放逐を終えた瑞葉の身体を綺麗に清める。
瑞葉の白い花蜜は、まるで美しい真珠の粒のように下肢に飛び散っていた。
八雲は静かにその夜着を脱がす。
瑞葉の身体に触れるようになってからも、まだその夜着は脱がしてはいない。
いつもその長い夜着の裾を捲るだけだ。
全てを脱がさないのは、瑞葉の羞恥心を慮ってのことだった。
まだ稚い瑞葉を全裸にしてその身体を弄るのは、あまりに刺激が強すぎるだろう。
また、着衣のまま淫らな行為に耽溺する瑞葉の姿は清らかな聖女と淫らな娼婦が同居しているようで…その淫靡さに、八雲は激しく劣情を催すのだ。
新しい夜着を着せ寝台に瑞葉を寝かせる。
蜂蜜色の長く美しい髪は白い枕にふわりと広がり、その美貌は目を閉じていても息を飲むほどに夢幻のような麗しさを湛えていた。
…まるで眠れる森の美女のオーロラ姫のような優美さと清楚な様は、先ほどまで八雲の腕の中で淫らに喘いでいた人物とは思えないほどだ。
…瑞葉様…。
八雲は、そっとその可憐な薔薇の蕾のような唇にキスを落とす。
瑞葉から脚の真実を告白された時、八雲の心は喜びで打ち震えた。
嘘を吐いてまで自分を側に引き留めて置こうとした瑞葉の健気さに心打たれ、そして密かに決意をした。
…このまま、この事実は二人だけの秘密にしようと…。
歩けぬままであったら、八雲はこのままずっと瑞葉の側で彼のためだけに仕えることができる。
八雲だけの瑞葉であり続けるのだ。
…私だけの瑞葉様だ…。
八雲は暗い悦びに酔い痴れる。
…誰とも共有をしない…誰にも晒さない…誰にも触れさせない…。
八雲の脳裏にふとある一枚の妖しくもどこか生々しい絵のような幻覚めいた光景が浮かんだが…彼は直ぐにそれを振り払う。
…この美しい秘密の花園の奥深くに咲く儚げな薔薇は…八雲ひとりのものなのだ。
…永遠に…私ひとりのものだ…。
八雲の端正な唇に薄い笑みが刷かれる。
八雲はその深い瑠璃色の瞳に冷たくも熱い愉悦と欲望の光を灯しながら瑞葉を見つめ、今一度その白く清らかな額に口づけを残すと、そっと部屋を後にした。