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エメラルドの鎮魂歌
第3章 禁断の愛の果実
一頻り笑い納めたあと、八雲はまだ謎めいた笑みをその端麗な貌に浮かべたまま薫子を見下ろした。
「実に貴方らしい。
…人を外見でしか判断しない貴方が言いそうなことだ」
「なっ…!何を言っているのですか!無礼な!」
気色ばむ薫子を尻目に、八雲は恭しく芝居掛かった大仰なお辞儀をしてみせた。
「これは失礼いたしました。
大奥様。しかし無礼を承知で申しているのです。
…私はもう貴方のお飾りでいる気は毛頭ないのです。
私を瑞葉様付きの執事に任命してください。
それ以外は望みません」

今まで寡黙で礼儀正しく無機質なまでに感情を吐露しないと思われていた執事がいきなり豹変した様に驚きながらも、薫子は辛うじて威厳を保ちながら彼を睨め付けた。
「なりません。瑞葉には貴方を付けません。
貴方はここで私のアクセサリーの役割を果たすのです。
お飾りの従順な美貌の執事として…!」

八雲は、ふっとその形の良い唇に冷笑を刷き肩を竦めた。

「そうですか。それなら致し方ありません。
…大奥様。それでは甚だ不本意ではありますが、私はあの少年の存在を社交界の方々にお知らせすることになりますね」

ぎょっとしたように薫子が息を飲んだ。
「…貴方は…何を言っているのですか?」
八雲は楽しげに続けた。
「…大奥様が何より忌み嫌い、その存在を消し去ろうとするほどに恐れてすらいらしたあの少年です。
…そう、先代の伯爵の落とし胤…貴方の亡き夫と愛人の芸者との間に出来た少年の存在です」

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