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エメラルドの鎮魂歌
第4章 美しき森の虜囚
「…君は…実に残酷な男だな…」
八雲の美しい宝石のような深い瑠璃色の瞳を見据えながら、青山は呟いた。
「瑞葉くんの誇りを守るためならば、手段を選ばない。
…たとえ、たったひとりの弟の和葉くんを危険に晒すことになっても…。
しかも、和葉くんは君のことを…」
その言葉を八雲は素早く遮った。
「青山様。本日、貴方様にこちらまでお運びいただいたのは他でもありません」
窓の外の様子をじっと見つめる。
…瑞葉は蜂蜜色の髪を掻き上げながら、読書を続けている。
高価な陶器のように白い肌…長く濃い琥珀色の睫毛…エメラルドの大きな瞳…形の良い鼻筋…薔薇の蕾のような可憐な唇…優美なラインの首筋…白く細い指先…。
…すべてが余すところなく美しい方だ…。
毎日拝見していても、心が鷲掴みにされるほどの衝撃を受け続ける…。
この美しい天使のようなお方を守るためならば、私は何でもできるのだ…。
「青山様。
私はそろそろ瑞葉様をお迎えに行かなくてはなりません。
その前に、折り入ってご相談したいことがあるのです。
聞いていただけますか?」
青山は眉を跳ね上げて、やや好奇心を滲ませながら答えた。
「聞こう。…どうせ、乗りかかった舟だ。
何の因果か、分からないがね…」
八雲の美しい宝石のような深い瑠璃色の瞳を見据えながら、青山は呟いた。
「瑞葉くんの誇りを守るためならば、手段を選ばない。
…たとえ、たったひとりの弟の和葉くんを危険に晒すことになっても…。
しかも、和葉くんは君のことを…」
その言葉を八雲は素早く遮った。
「青山様。本日、貴方様にこちらまでお運びいただいたのは他でもありません」
窓の外の様子をじっと見つめる。
…瑞葉は蜂蜜色の髪を掻き上げながら、読書を続けている。
高価な陶器のように白い肌…長く濃い琥珀色の睫毛…エメラルドの大きな瞳…形の良い鼻筋…薔薇の蕾のような可憐な唇…優美なラインの首筋…白く細い指先…。
…すべてが余すところなく美しい方だ…。
毎日拝見していても、心が鷲掴みにされるほどの衝撃を受け続ける…。
この美しい天使のようなお方を守るためならば、私は何でもできるのだ…。
「青山様。
私はそろそろ瑞葉様をお迎えに行かなくてはなりません。
その前に、折り入ってご相談したいことがあるのです。
聞いていただけますか?」
青山は眉を跳ね上げて、やや好奇心を滲ませながら答えた。
「聞こう。…どうせ、乗りかかった舟だ。
何の因果か、分からないがね…」