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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第8章 あの人の事がよく分からない…

「…女子扱いしてくれるんですね」
「当たり前だ。お前は女の子で、うちの大事な従業員なんだからな」
「えー、嬉しいー」
「うるさい!早く帰れ!」

私の事を気遣ってくれるのが嬉しい。
後、店長の照れた顔も見れて楽しかった…

店長に言われた事を意識し、夜道ではいつもより周りに注意して帰宅した。
部屋に戻って一息着いてから、中身を確かめてみると、思ったよりも給料が入っていた。

これだけだったら、昼の分も返済に入れなくても平気だな。
浮いたお金で貯金や生活費に充てられる。

「……」

制服を脱いで、さらしを外して下着姿で鏡の前に立つ。
男性が喜びそうな服を思い描けない…
長らく女性らしい格好から離れていたので、今の自分にどんな服装が似合うのか、ぼんやりとした想像しか出来ない。

オシャレの仕方を忘れた自分がそんな妄想出来るわけないか…


……その前に、日曜に何を着ていくか決めておかないと。




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