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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第8章 あの人の事がよく分からない…
お酒が入って益々私に絡むので、茜さん達は2次会を早々と切り上げ、20分程でお店から出て行った。
「もう、助けてくれても良かったじゃないですか」
小声で店長に文句を言った。
店長はただ私達の様子を注意もせず、ニヤニヤしながら見てるだけ。
「いや、悪い悪い。アタフタするお前見てるの面白かったから」
「悪趣味ですね」
「そう怒るなって。今日はアレを用意してあるからよ」
「アレ?」
特に何か出てくる様子も無く、2時まで仕事をこなした。
バーを閉めて、グラスを磨いていると、バックヤードに呼び出された。
「どうしたんですか?」
「はい、今月の給料。いつもありがとよ」
「あー、給料日でしたか。ありがとうございます」
給料袋を受け取り、すぐに鞄にしまった。
「借金返すのも大切だけど、生活があるんだからきちんと考えて使えよ」
「はい」
「それと、帰りに取られないように気を付けろよ」
「あんまり怖い事言わないで下さいよ」
「言うよー。格好は男だけど、女の子だ。変な奴に絡まれたら太刀打ち出来ないだろ?」