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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第9章 始めて見た時は、君しか見えてなかった…
「最近暖かいから、冷たいのが欲しくなるよねー」
「そうだねー」
なんて話しながら歩いていたら…
「「あっ……」」
繁正さんが弟さんと歩いているのに、バッタリ出くわした。
勝手にお店から出て行っちゃったから、気まずい…
「ど、どうも…」
気まずさから顔を俯けると、姉がボソッと囁いてくる。
「舞花、さっき失礼な態度をとった事、きちんと謝罪しないと」
「ああ…あの原田さん、先程は大変失礼な行動をして、大変申し訳ありませんでした」
「謝らなくても良いよ。気にしてないから」
「はぁ…」
「失礼します」と会釈して、通り過ぎようとしたら、そっと肩に手を置かれた。
「な、何…」
「明日仕事が終わったら、俺の部屋に来て」
耳元でいやらしい誘われて、身体が沸騰するくらい熱くなった。
意味ありげに口角を上げて去って行く彼の後ろ姿に、反撃して余裕そうなその姿勢を崩してやりたいと思った。
誘われただけで動揺するなんて…
「舞花どうしたの?顔真っ赤だけど」
「な、何でもない!」