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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第10章 俺のしたい様にさせてもらう
サラダ用の野菜を切って盛り付けたら、ホットプレートの蓋を外して粉末ソースを振り掛けて混ぜ合わせて完成。
「出来ましたよ」
「おお…」
麺と具材で結構なボリュームになった焼きそばを前にして、繁正さんの目が輝いた。
鼻をヒクヒクさせて匂いを嗅ぐ姿が可愛く見える。
…いやいや、可愛いって何!?
また変なフィルター掛けて見ちゃってた!?
悶々と考えながら、インスタントの味噌汁を用意した。
「もう食べられますよ」
「ありがとう。作ってくれて」
「いえ、どうぞ」
「いただきます」
箸でガバッと麺の塊を掬うと、一気に啜り上げた。
「その量口に入るの!?」と思っていたら、案の定喉に詰まらせたようで…
「んむっ!?」
「ああっ!大丈夫ですか!?」
麦茶を流し入れ、何度か咀嚼すると、ゴクリと飲み込んでフーッと苦しそうに息を吐いた。
「ハーッ、ごめん…」
「大丈夫ですか?」
「うん、ちょっと調子に乗っちゃったな…」
「それより、お味の方はいかがですか?」
「凄く美味いよ。こんな美味い焼きそば初めてだ…」