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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第10章 俺のしたい様にさせてもらう

諦めて繁正さんの膝の上に座ると、腰を引き寄せられて、身体が密着する。
間近で見つめ合うと胸がムズムズする…
目線を逸らすと、顔を傾けて視界に入ってこようとする。

「ちゃんと俺を見てよ」
「……っ」
「ほら、目を逸らすなよ」

間近で繁正さんの端正な顔立ちを見せられ、目を逸らす事も出来ず照れてしまう。
自分でもカッコ良さに自覚があるから、「目を逸らすな」なんて鬼畜な事が言えるんだ。

「ふっ」
「何ですか?」
「いや、何でも…それより、キスしようよ」

恋人にねだるような口調でキスを求められる。
不覚にもときめいてしまい、落ち着けようと少し深呼吸した。
何でドキドキしないといけないの、恋人でもないのに…

「繁正さんって、こうして他の人を相手に膝の上に乗せたりするんですか?」
「ん?」
「…はっ!」

待って、今の言い方嫉妬してるような言い方になってなかった!?



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