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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第10章 俺のしたい様にさせてもらう
お礼を述べると、照れ臭そうに鼻を掻く繁正さん。
照れてる姿はやっぱり可愛い…
「こんなので喜ぶなよ…下手なのに調子に乗っちゃうだろ…」
「繁正さんは下手じゃないですよ、経験が少ないだけです。何回かレシピを見ながら料理してたら上手くなりますよ。それに、料理上手になるには褒めてもらうのも大事なんですよ?」
「そうか…」と呟くと、黙々とトーストを齧り始めた。
繁正さんが無言になるとすぐに後悔した。
出しゃばった発言して、繁正さんの機嫌を損ねちゃったかな…
落ち込んだまま食事を終えると、繁正さんが口を開いた。
「なあ…」
「はい?」
「…また君の為に料理作ると言ったら、食べに来てくれるか?」
「えっ!?」
「君の為に」って……
それってどういう事!?
意味を聞こうとしたけど、繁正さんから「聞くな」オーラが出まくっていたので、その話には触れず繁正さんの部屋を後にした。
「泊めていただいてありがとうございました。それじゃ、失礼します…」
「ああ。また会社で…」
バタン…
「はぁ……ヤバいな、あんな事口走って…あの子に対してこんな気持ちになるなんてな…」