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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第10章 俺のしたい様にさせてもらう

私の方には綺麗に盛り付けてくれているけど、繁正さんのお皿には焦げたベーコンとそぼろ状になった玉子が…

「繁正さんそれ…」
「ああ…普段料理しないくせに、カッコ付けて料理したらコレだ…舞花ちゃんの方はネットでレシピを見ながらしたから、失敗が少ない」
「いや、作っていただいただけでも嬉しいですよ?失敗した方は私が貰いますよ」
「何言ってんだ。失敗作を女性に食わせる男が居るか」

スプーンで玉子を大盛りに掬うと、口の中に放り込んだ。

「コーヒーとトーストは毎朝作ってるからきちんと出来てる…はず」
「いただきます」

表面には砂糖がまぶしてあり、カリッとして甘くて美味しい。
トーストの甘みがコーヒーの苦味と良くマッチしている。
ベーコンとスクランブルエッグも丁度いい塩気で、これもトーストと合う。

「全部とても美味しいです」
「そうか、口に合って良かった…」
「はい…大人になってから誰かにご飯を作ってもらうの久しぶりだったから、凄い嬉しかったです」




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