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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第13章 それは知られたくなかった
ネクタイピンをいくつかピックアップして、胸元のネクタイに添えてバランスが合うか見てもらった。
「このネクタイピンはどうですか?小さいクローバーの装飾がされていて、綺麗ですよ」
「これ良いね。こっちのゴールドのやつも買おうかな?」
ネクタイとピンをそれぞれ2つずつ選び、レジに持って行こうとしたところで、私の方に振り返った。
「舞花ちゃんの見立て凄く良いね。選んでもらって良かった…」
「本当に良いんですか?私が選んだもので…それに、値段を見ずに選んでしまったんですけど…」
値段を確認すると、先程買った洋服くらいの金額になってしまった。
もう少しリーズナブルなネクタイもあったのに、繁正さんに似合いそうなものを選んでしまった…
落ち込んでいると、買い物を終えた繁正さんが頭をポンポンと撫でてくれた。
「ネクタイとピンはあれくらいの金額の商品が多いから、気にしなくていいよ。選んでくれてありがとう」
「繁正さん…」
「お腹空いただろ。ご飯食べに行こうか?」