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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第13章 それは知られたくなかった
「さっきの人は?」
「伯母です…えっと…」
「揉めてた理由は言わなくていいよ。言いたくないでしょ?」
「……借金をしたみたいで、私に肩代わりするよう言われたんです」
身内の恥を無理に晒さなくても良かったのだが、繁正さんには隠したくなかった…
「私に借金を払うよう迫ってきて、何度も断っていたらあんな風に…」
「舞花…」
「何度も断っていたのに、心の中では『私が肩代わりすれば丸く収まるんじゃないか』って思うようになって…」
もしかしたら、繁正さんにはいい顔をしたい女だと思われたかも知れない…
幻滅されたかな…
落ち込んでいると、繁正さんに抱き締められ、あやすように背中を撫でてくれた。
「舞花は優しいな…でも、君が1人で背負い込む必要はない。君だって伯父さんにお金を返しているのに…」
「繁正さん…」
「話したくない内容なのに、言ってくれてありがとう」
繁正さんの温もりが荒んだ心に染み、繁正さんの背中をキュッと掴んだ。
「…舞花をこのまま帰すなんて無理だな……そうだな、今から俺とデートの続きしようか?」
「えっ?」