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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第15章 大事なものが離れていく
「…いか、舞花?」
「は、はい…」
「どうしたの?ボーッとして」
繁正さんの電話の内容の「お見合い」が気になりすぎて、まともに眠れるはず、今も頭が重い…
今日仕事なのに…
「…もしかして、ハムエッグ美味しくない?硬かった?」
「いえ、美味しいです。ありがとうございます」
せっかく繁正さんが作ってくれた朝ご飯もきちんと楽しめない。
こんなにモヤモヤするんなら、引き返さずに聞いとけばよかった……
「自分で料理出来るように今度炊飯器を買おうと思ってて、どの炊飯器がピッタリか舞花にも選んでもらっても良いかな?」
「はい、いつにします?」
「んー、しばらく忙しくなるから、それが落ち着いた後でゆっくりと…」
次のデートの予定が出来たのに素直に喜べない。
お見合いの話を聞きたい、けど勇気が無くて聞き出せない…
繁正さんは私の事を知ろうとしてくれていたのに、私は繁正さんの事を深く知るのが怖い…
私は繁正さんの事を何もわかってない、彼女なのに…